第四夜:天国のセミじいさん×ことばづかい
数日前、セミとぶつかった。結構、固い。石でも投げられたのかと思った。
さて、彼らの大合唱は夏ならでは。そんな一大イベントを日頃、娘と堪能していた矢先、自転車置き場で動かなくなったセミに遭遇しました。アツアツのコンクリートの上にほったらかすのもあんまりなので、土のある日陰へそっと移動。(ちなみに我が家は昆虫に関わることは父ではなく全て母の係・・・。)
翌日、「セミさんどうしたかな?」と娘と登園時に見に行くと、なぜかもういない。
首をかしげる娘に、「生き返ってとんでいっちゃったのかな?それとも、ネコが食べちゃったのかな?」とキツめの例え話をすると、一瞬にして顔がひきつったので、慌てて「きっと、お母さんに見せにいったんだよ」と言い直しました。娘から「そっちの方が、優しいよね。」と、イジワルをした母の後悔を察知したかのようにサラっと大人的フォロー・・・。ですよねぇ~。
こんやのおきゃくさんは、そのセミ。
ピンポーン・・・
母「はーい、どちらさま?」
セミ「わしじゃ、セミじゃよ。この前はよく眠れた。お前さんたちが見つけてくれたのは8日目でな、いい人生だった。あれからお迎えが来てのう、今は天国におる。酒はうまいし、ねぇちゃんはキレイだ。お陰さまで元気でやっとるよ。」
娘はセミの"その後"よりも言葉づかいが気に入らなかったようで、父に言うように、「ウマイじゃなくて、オイシイでしょ!」とピシャリ。"天国、酒、ねぇちゃん"については突っ込まれることもなく("帰ってきたヨッパライ"は知らなくて当たり前か、あはは。)・・・。
セミ「おお。そうじゃったな、ていねいにいおう。"オイシイおさけ"じゃ。」
娘、満ちる。
すると、突如、私に馬乗りになり、「ミーーンミンミンミンミーーーンっ!!セーミ、セーミ!セミ、セミ、セーミ!!」と、タックル付きの猛烈なセミコール・・・いたい、危ない、そして、重い。
娘の手はぽっかぽか。テンションが高くなるのは【眠いです】のサインでもあったりするのですが、まさかのタイミング。
セミ「じゃ、じゃあ、達者でな。来年は、わしのせがれに会えるだろう。」
母「ほらほら、セミ帰るってばよっ。セイセイセイ、ドードードー。」
夏の終わり、秋の訪れ、命について伝えるのは、まぁ、まだなかなか難しいところかな。台風の日を境に、夜、庭先ではスズムシの声が聞こえるようなりました。
他のセミはどこへやら。
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