第一夜:お妃様の鏡(白雪姫)×ハミガキ
第一回目、こんやのおきゃくさんは、鏡。
鏡と言っても、あの白雪姫に出てくる超絶性格ブスのお妃様が「鏡よ、鏡、鏡さん。世界で一番美しいのはだぁれ?」と聞くと、面と向かって「あんたじゃないゼ」を言えちゃうアイツ。
ピンポーン・・・・
鏡「(邪悪に)ふははは、やぁ、こんばんは。私は鏡だ。お妃様が使っている鏡だよ。鏡ってなんだか知っているかい?」
娘「わかりません」
鏡「一つの道具さ。英語ならMirrorだ。手を洗うとき目の前にあるものだ。私の前に立つと何がみえる?」
娘「おかあさんです」
鏡「おかあさんが見えるのかい?自分の姿はどうした?
娘「・・・・わかりません。」
鏡「一度、遊園地にあるミラーハウスで私と会っているが、覚えているかい?鏡の中にはキミがいた。もちろんお母さんもだ。
あの部屋の中では、私はありそうなところに無くて、無さそうなところにあっただろう?そして、鏡の中には幾人ものキミと私がいた。不思議なもんさ。
仕事はありのままを写すことだ。迷いは許されない。ただ、悩むこともあるさ、特にお妃様の前ではね。」
そんなやりとりをした翌日、仕上げで奥歯の前側を磨こうとすると決まって嫌がる娘に、鏡を登場させて挑んでみた。
母「鏡よ鏡、鏡さん。世界で一番美しい歯の持ち主はだあれ?」
鏡「それは・・・・一番はお妃様です。二番目に白雪姫様で、あなたは三番目。」
娘は負けず嫌いなところが出てきていることもあって、「はあ?」というイラつき顔に。
すかさず、「あらら、お妃様や白雪姫より歯が汚い、磨けていないってことだね。」と繰り返すと、パカッと娘は口を空けて、「手伝ってあげるね。」と上から。
丁寧に下の奥歯をブラッシングをした後で、もう一度、鏡にきいてみると、白雪姫よりはキレイになったものの、まだ、二番目。次に上の奥歯と前歯、外側を入念にシャカシャカシャカ。
母が満足に磨けたな~と思った時点で、鏡にもう一度あらためて聞いてみる。
母「鏡よ、鏡、鏡さん、世界で一番美しい歯の持ち主はだあれ?」
鏡「世界で一番美しい歯の持ち主は・・・・・
○○ちゃん(娘の名前)。」
娘、満ちる。そして、上手にうがい。
虫歯になりませんように。
8月18日 アンサンブル
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